2025/04/30 22:56

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現代のヨーロッパのライフスタイルに合うこけしを生み出すために、
尚道がとったアプローチは、最新のインテリアや流行りのデザインをこけしに取り入れるのではなく、
先代たちが櫻井家に残したこけしを現代に再構築する方法でした。
「現代に受け入れられるこけし」とは、市場に迎合した商業的なこけしではなく、
「現代の櫻井家のこけし」を生み出すことです。
櫻井家の伝統こけしをもとに、様々な形・顔・描彩の組み合わせを何度も試しながら、
先代の大沼健三郎が作っていた伝統こけしのフォルムと、櫻井昭二がつくっていた創作こけしの顔をルーツに、
新しいこけしが生まれました。

左:櫻井昭二作のこけし
右:大沼健三郎作のこけし
数えきれないほどの試作を重ねました。
色合いだけでも100パターンは超えていました。
いまもその時の試作がたくさん残っており、誕生までの軌跡を静かに物語っています。
Reflectionsと名付けられたこのシリーズには、「現代のライフスタイルを映すこけし」という意味が込められており、
そして、その根底には先代たちの想いが深く息づいています。
完成した【Reflections】を見た五代目の櫻井昭寛は「これは櫻井家の伝統こけしだ」と言いました。
桜井家の先代たちはそれぞれの時代に、独自の視点と感性で創作こけしに挑んできました。
明治から昭和にかけて、桜井こけしの礎を築いた大沼岩蔵の鉄兜こけし。
先代櫻井昭二が生み出したひいな。
いずれも、それまでの伝統こけしにはない表現や技法を用い、こけしの新たな可能性を切り拓いてきました。
「挑戦こそが伝統」。
櫻井家にとって、創作への挑戦こそが、伝統そのものであり、
先代のこけしを紡いで生まれたReflectionsもまたその流れにある「現代の伝統こけし」なのです。