2025/04/11 11:11

【Reflections】(リフレクションズ)


このこけしを求めて鳴子温泉まで足を運んでくださる方も多い、桜井こけしの人気のシリーズ『Reflections』



Reflectionsの販売ページはこちら

https://shop.n-koshiki.jp/categories/5354287


現代の暮らしの中で、「こけし」の概念にとらわれず、自然と暮らしの中に溶け込み、

お部屋のインテリアとして飾っていただいているという声も聞こえてきます。


今回は、その『Reflections』が誕生したお話を書きたいと思います。




Reflections(リフレクションズ)は2016年に生まれました。


「新しいこけし」。

初めてReflectionsを目にしたお客様はそう感じると思います。

しかし、Reflectionsが生まれた背景には、これまでに櫻井家の先代たちが生み出してきたこけしや想いが息づいています。


先代と交流のある古い蒐集家は、Reflectionsを見てすぐに、「先代の昭二さんが若い頃に作っていたこけしを思い出すね」と言いました。



桜井こけしの六代目櫻井尚道が生み出したReflections。

海外向けのこけしとして開発したことからはじまります。


尚道が海外を目指した動機のひとつに、先代たちの取り組みがあります。


戦後、今から50年以上前、鳴子のこけしを全国へ広げるため、鳴子のこけし工人達は、

自ら東京へ何度も出向き、鳴子こけしの認知と普及に努めていました。


東北新幹線が開業する前の時代、片道6時間以上の道のりを重ねていたのです。


その努力が実を結び、鳴子こけしを知る人が徐々に増え、全国から多くのお客様が鳴子温泉を訪れるようになりました。



しかし、時代の変化と共に鳴子温泉は衰退していき、鳴子こけしも現代の人々からは「古いもの」、若い人々からは「知らない存在」となっていきます。

そのうような中、尚道は鳴子のこけしをもう一度多くの人に知ってもらいたいと考え、模索しておりました。


かつての工人たちに倣い、自分たちの世代で何が出来るのかを考える中で、

交通や情報発信技術が発展した現代で、海外展開という新たな挑戦を決意します。


ターゲットをヨーロッパに定め、ヨーロッパでの展示会出展を決めました。


出展の前年、鳴子こけしを手に現地を訪れ、現地の方々にさまざまなリサーチを行う中で、インテリアとしてのこけしという視点が浮かびました。

「現代的なインテリアに調和するこけしを製作することで、新しい価値が生まれるのではないか」――そう考えたのです。


ヨーロッパの住環境に合った、インテリアとしてのこけしを目指して、新しいこけしの制作が始まりました。


Reflectionsのお話02につづく